結納

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モアレ

モアレ(moire)とはフランス語で干渉縞・波紋という意味を表します。布地に表れる波型の模様のことで、水模様あるいは杢目(もくめ)模様といいます。なぜモアレが発生するのでしょうか。その原因としては、まず劣悪な保存状態が挙げられます。生地をたくさん重ねすぎて圧迫してしまったり、水分を含んだ状態の生地を強く巻き取ったりすることで、繊維に不規則性が生じてしまうのです。このようにすることで生地の均一性を損ない、生地表面に凹凸ができるので、見る角度によってさまざまな光を干渉するのです。望ましくないものでもありますが、あえて意図的に美しい杢目模様を織り出す場合もあります。意図的にモアレを発生させるような加工をモアレ加工といいます。畝があり、密度が違ういろんな織物を表地と裏地で角度を変えて重ね合わせたり、ローラーでプレスすることで波形をつけたりしてモアレ加工を行います。タフタやシルクなどのモアレ生地はウェディングドレスによく用いられます。モアレという言葉は、アラビア語・ペルシャ語の「mukhayyar」が語源とされています。アンゴラ羊の毛織物製衣服を意味しています。その後英語やフランス語で様々な語形変化をくりかえし、フランス語の形容詞「moire」が派生したといわれています。

モーニングカット

モーニングカット(morning cut)とは、ズボンの裾のカットのひとつです。甲からかかとにかけて、後ろ斜め下にカットしたもので、シルエットを美しく見せることができます。一般的に前後の高低差は1.5~2cm程度となっています。シルエットが美しく見えるだけでなく、足が長く見える効果もあります。このモーニングカットは、主に礼装用のズボンに用いられるカット法ですが、70年代に流行したベルボトムのジーンズにもよく見られました。このモーニングカットという言葉の語源は、モーニングコートのズボンの型と同じであることだといわれています。モーニングカットという言葉は通称で、正式にはアングルボトムと言います。

モーニングコート

モーニングコート(morning coat)とは、男性の昼間の正礼装のことです。昼間の正装なので、夜間に着用することはできません。別名カット・アウェイ・フロックコートともいいます。へそ下あたりの短い前裾から膝裏下あたりの後裾まで、斜めにカットされた黒のジャケットが特徴的です。共布のベストとジャケットに黒白小格子のパンツかグレーと黒のストライプを着用します。パンツは裾の部分を折り返してはいけません。シャツは立襟でダブルカフスシャツです。タイはシルクサテンの素材を使ったアルコットタイかフォーインハンドタイを合わせます。白蝶貝か真珠のカフスボタンを用い、ポケットチーフは白のスリーピークが良いでしょう。サスペンダーを使い、ベルトは使用しません。靴は黒の短靴を使用します。木綿素材か麻の物にしましょう。手袋は白の綿素材のものを用います。モーニングコートの起源は、フロックコートの形を少し変えて朝の散歩用の服に仕立て上げたものです。19世紀中ごろには、昼間の正礼装として正式に制定されましたが、現在は結婚式など特別な席での正装として着用されています。

模擬挙式

模擬挙式とは、挙式のデモンストレーションのことを言います。実際の式はどのようになるのか想像しやすいように、新郎新婦、牧師など様々な役のモデルが登場し、まるで本番さながらの挙式を実演してくれるイベントです。この模擬挙式は、ブライダルフェアで催されています。ほとんどの式場で定期的に催されています。模擬挙式の参加者は、実際の参列者の席で見学することができます。自分も参列者の視線から見学することが可能なのです。式場の雰囲気や式の進め方を実際に自分の目で確認することができるので、会場を決定する前に参加しておくことをお勧めします。

模擬披露宴

模擬披露宴とは、披露宴のデモンストレーションのことを言います。この模擬披露宴の会場は、まるで本番さながらに装花、装飾、テーブルコーディネートが施されています。その他にも、実際に式で行われる新郎新婦の入場や、キャンドルセレモニーなどの演出の実演が行われています。この模擬披露宴はブライダルフェアなどで催されています。ほとんどの式場で定期的に催されています。参加者は参列者席で見学することができます。式の参列者の立場からこの模擬挙式を体感することができるのです。披露宴の実演だけでなく、披露宴料理の展示や試食を行っている場合もあります。料理だけでなく、ウェディングドレスの試着会などの行事が同時に行われていることもあるので、式場に確認をとってから参加すると良いでしょう。

もぎり

もぎりとは、会場へ入場する時にチケットなどの半券を切り取ることを言います。チケットには簡単に切り取れるようにミシン目が入っています。このような状態でチケットの一部が半券になっているのです。このチケットのことをもぎり券やもぎり札と呼びます。このもぎりの語源は、「もぎり取る」から来ていると考えられています。ブライダルの場合は、カジュアルなパーティーや二次会で使用されることが多いです。チケットのもぎる側の半券にゲストの連絡先を記入して貰うのです。こうすることで、芳名の代わりとして用いられる場合があります。

目録

目録とは、結納品の内容を記したものです。別に「茂久録」と書かれることもあります。この目録を用意するのは結納品を贈る側です。結納の時に結納品と一緒に相手へ贈られます。一方、受け取った側はその受領の証として「受書」を返します。目録の取り交わしには、薄い白木の板で作られた献上台の片木盆(へぎぼん)に結納品や結納金と一緒に載せて行われます。目録には本来水引をかけなくても良いのですが、水引を掛けた目録が一般的です。目録は自分で用意しなくても結納を購入した際に付いてくる場合が多ので、日付や名前など必要事項を記入すれば良いだけの状態になっています。目録は毛筆で書きましょう。一般的に宛先は親名義なのですが、近年は本人名義の場合も増えているようです。表書には目録と書くか、寿と書きます。文を書く場合、文末には句読点を打ちません。日付の書き方にも決まりがあります。年・月は通常通りでいいのですが、日付は明確に書かずに吉日と表記します。目録の内容は具体的な結納品の名前やその個数です。この結納品の名前は現在使用されている表記ではなく、子生婦(こんぶ)、勝男武士(かつおぶし)、寿留女(するめ)、優美和(ゆびわ)、登慶・十慶(とけい)など雅語を使用します。婚約指輪を贈る場合、婚約指輪は結納金の一部となるので「御帯料一封結美和付」と表記しても良いでしょう。また結納に合わせて、「家族書」といって家族の名前を記したものや、家族と親族の名前を記した「親族書」を交換する習慣もあります。

モチーフ

モチーフ(motif)とは、主題、テーマ、基調といった意味を表します。何か物を作る時、自分の頭の中で完成した作品のイメージや、どのような内容を表現したいか、というイメージを考えながら徐々に作成していくことがあります。そのような場合に、頭の中でその基となっているテーマのことをモチーフといいます。また、特別にモチーフジュエリーという言葉もあります。これは漠然としたイメージではなく、花やハート、星型などといった何か特定の形をモチーフにして宝石をレイアウトしたり、地金を模ったりしたもののことをそう呼びます。

持ち帰り用ケーキ

持ち帰り用ケーキとは、参列者に持ち帰っていただくケーキのことです。引出物と一緒に渡します。生ケーキでケーキカットを行う場合、そのケーキは新郎新婦が入刀した後、人数分に切り分けて参列者の皆さんに振舞われます。しかしそうではなくセレモニー用ケーキの場合、その場で食べることはできません。そこでお土産として別にケーキを用意する場合があるのです。この持ちかえり用ケーキは単なるお土産ではなく、幸せのお裾分けの意味も込められています。ここで一つ注意しなければいけないことがあります。それは持ち帰り用ケーキの料金とセレモニー用ケーキの料金は別料金だということです。

持込料

持ち込み料とは、自分で用意したアイテムを会場に保管してもらう際に必要となってくる料金のことです。たいていのアイテムは式場で用意してくれますが、それを使わずにほかの業者に頼む場合に発生します。別に保管料とも言います。この持ち込み料は、実際には持ち込まれたアイテムの保存のための料金というよりも、自身の会場の売り上げを維持するための手段として用いられているといっても良いでしょう。会場によっては持ち込み自体禁止しているところもあります。逆に持ち込み自由という会場もあるので、事前に確認して会場選びの参考にしましょう。一般的な料金として、引き菓子や引き出物を持ち込む場合は、1品あたり300~500円程度かかることになります。式場提携の店でどちらか一方を購入すれば持込料が掛からなくなる場合もあります。また衣装を持ち込む場合、管理手数料として、持込料が1万円から数万円かかる可能性もあります。会場によって異なるので、何かアイテムを持ち込みたいという場合は、あらかじめ持ち込み料を確認しておきましょう。

元卓

元卓(もとたく)とは、料理をのせるテーブルの一種です。ビュッフェ形式の食事の際に利用されます。ビュッフェ・テーブルともいいます。元卓に対して、ゲストが座って実際に食事をするテーブルのことを「ちらし」とも言います。また、この元卓という言葉は広義にビュッフェ形式自体のことを指す場合もあるのです。このようにビュッフェ形式自体を示す場合、元卓着席や立食元卓などと表現されます。元卓のある位置によってもいろんな表現があります。たとえば元卓を会場の中央に位置する場合はセンター・ブッフェ、壁側に沿って位置する場合はサイド・ブッフェといいます。元卓の上に飾る花のことを元卓装花と呼びます。

モンタールキャンドル

モンタールキャンドルとは、キャンドルサービスのメインキャンドルに、螺旋状や階段状に小さなキャンドルを配置したもののことです。モンタールキャンドルと言わずに、モンタールと略して呼ぶこともあります。このモンタールとは、スペイン語で「乗る」という意味を表します。下方の裾部分のキャンドルは多く配置します。そして上へ昇るに従ってそのキャンドルの数は減っていき、最後の一番上に大きなメインキャンドルがあります。全てのキャンドルに新郎新婦が着火していく訳ではありません。新郎新婦は最後に一番大きなキャンドルに点火するだけなのです。他の小さなキャンドルには参列者の方に一つ一つ点火していってもらいましょう。

紋付・紋服

紋付(もんつき)とは、(1)家紋を付けた礼装用の和服のこと。(2)家紋が付いていること、紋そのもの。といった二つの意味を持っています。紋服ともいいます。しかし、一般に紋付と言えば(1)の意味で使われる場合が多いです。男性の和服第一礼装でもある、五つ紋の黒の紋付羽織袴を指します。女性用の紋の付いた着物と言えば、打掛、色打掛、留袖、喪服などが挙げられます。これらはこのように細分化された名前の上に「五つ紋の~」「紋付の~」という形容詞をつけて表現します。紋付の種類としては、五つ紋・三つ紋・一つ紋など様々なものがあります。中でも最も格式が高く正式なものは、背紋・袖紋・抱き紋の五つ紋です。そして背紋と袖紋の三つ紋、背紋のみの一つ紋というように紋の数が少なくなっていくにつれて略式になっていきます。また紋は染め抜き紋が正式な紋で、縫い紋は略式となっています。紋の起源は、平安時代までさかのぼります。当時の公家社会において装飾用に紋が用いられたのが始まりとされています。その後の武士文化の発展に伴い、旗印に紋を紋章として用い、階級や身分をもあらわすようになったのです。安定した江戸時代になると、商人などの庶民が台頭してきました。そうすると今度は苗字と同時に家紋も作るようになっていったのです。このような流れを経て、現在の紋付の文化が定着していったのです。

紋付羽織袴

紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)とは、現代の男性の和装第一礼装です。この紋付羽織袴は結納や結婚式、葬儀、式典などの冠婚葬祭で用いられます。紋付羽織袴は紋付と省略されたり、紋服とも呼ばれたりすることもあります。羽織には黒羽二重を用います。羽織紐には丸組みや白の平打ちの紐をしようします。花結びなどは略礼装の場合なので、房を上にして嶋尾の前で結ぶ殿様結びで仕上げましょう。長着には黒羽二重を用います。季節に合わせて変わります。また袴は黒や茶色の縦縞柄の行燈袴や乗馬袴です。仙台平の生地の袴を使用します。帯は角帯で、足袋は白足袋です。黒羽二重の起源は10世紀頃にまでさかのぼります。そして黒紋付袴として確立したのは江戸時代初期だといわれています。当時、羽織袴は武士の普段着でした。正装は裃だったのです。江戸中期になると、下級武士や町人の礼装として紋付羽織袴が使用されていきます。幕末になると、武家の公服や準礼装として扱われることになっていきます。明治維新により裃が廃止されたことから、次第に男子の第一種礼装として一般に広く普及していったのです。