結納

キレイ学のススメ ~ビューティー22~

ビューティー22|西村有紀子 キレイ学のススメ

聴くだけでツキを呼ぶ、魔法のCDブック

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは写真家金本孔俊氏のオーロラの写真、環境音楽家小久保隆氏の音楽CD、漢方、整体、気功、伝統医学を研究し自ら実践をしている観月環氏著の『聴くだけでツキを呼ぶ、魔法のCDブック』です。付属のCDを聴きながら、本書の中のオーロラ写真を見て、瞑想する“オーロラ瞑想”をすると、気の流れが整えられ、数々の願いが叶うというものです。この音楽と、写真が効果があるというよりも、この2つが瞑想をしやすい環境を作り、潜在意識に語りかけるにふさわしい状態を整えてくれるというと理解しやすいでしょう。実際に瞑想をしたことのある人はわかると思いますが、頭の中には雑念がどんどん浮かんできて、頭の中を空っぽにするということは至難の業です。しかし、このCDと写真があるとオーロラと音楽に気持ちを集中できますので、簡単に瞑想状態に入れるわけです。潜在意識に語りかけることで、病気が治ったり、金運が上がったり、劇的な変化があるということは、よく言われています。リラクゼーションのためにも一役買ってくれること間違いなしです。CD付きで1400円は安いと思います。

(瞑想の解説なので、アンダーラインポイントはありません)

目次

はじめに 欲張りなあなたの願いが叶う!
第1章 「オーロラ瞑想」をやってみよう!
第2章 「家庭が円満になった!」「運が良くなった!」「3億円当たった!」驚きのオーロラ効果!
第3章 一瞬で思い通りの自分になれる!
第4章 ソウルメイトと出会え、天命に気づく!
第5章 オーロラ瞑想30のQ&A
おわりに 夢を追い求めることは魂を輝かすこと

心を落ち着けると、名案が浮かびます。

自分に気づく心理学

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは現在早稲田大学教授、ハーヴァード大学ライシャウアー研究所研究員加藤諦三氏の『自分に気づく心理学』です。
自分が少しのことで怒ってしまったり、イライラしたり、恋人に嫉妬したり、の原因を目の前の出来事のせい、と片付けていることが多いものです。しかし、それはあくまでもきっかけに過ぎず、人生の目的や、考え方、感じ方が間違っている場合が多いのです。
小さな子供が、思い通りにならない場合、母親に向かって怒り、泣き叫び、すがりつくという行動は普通に見られる光景です。しかし“甘えの欲求”が子供時代に満たされないまま大人になった人は、“甘えの欲求”を今になっても満たしたいと望みますが、表面的には抑圧せざるをえず、屈折した形で怒りや、イライラとなって些細なことで人を批判したりするようになるということです。まずは、自分自身が子供の頃にたくさん愛情を受け取ってきたか、人に対しての依存心はないか、を見つめなおしてみることで、本当の自分に気づけるはずです。自分に向き合うにはとても優れた本です。いつでも朗らかに生きていたいと思う人におススメです。


アンダーラインポイント

結局人間は実際の自分に気がつかないことで、いろいろ苦労しているのであろう。

自分に気づくことは、自分の周囲の人に気づくことでもある。

事実はその人の価値観を通してその人の心に達する。同じ事実はお互いの心に達した時、全くことなって感じられるのである。

今までの自分のモデルで相手を理解する。大人になるまでにすでに他人の言動を理解する枠組みができてしまっている。そこで今まで自分が味わったものの分類のどこかにそれを位置づけてしまう。

いくら甘えの表現を自らに禁じて、生真面目に振舞っていても、それはお茶を飲む程度の信頼でしかない。この人と結婚しよう、この人と生涯をともにしようというような気持ちに相手をさせるのは、生真面目なだけの振る舞いではない。

甘えの欲求が満足されて、真面目にしている人は、そんなに他人のことに気兼ねしたりしないし、この人々には人間としての魅力がある。人間としての魅力というのは、相手に確かさを感じさせるということであり、その人がいるというだけで意味を与えてくれるということである。

仕事にしろ性にしろ、不安なものにとっては同じである。達成しなければ意味がない。なぜなら達成のない仕事や性は心の空虚を埋めてはくれないからである。

甘えの欲求を白昼夢で満たしてみても、そこには直接満たされた時のような快適な満足感はない。丁度すねたり、ひがんだりしてものごとをなしとげた時と同じである。

結局自己評価というのは、小さい頃自分の実際の存在が許されたかどうかによって、高くなったり低くなったりしてくるのである。従って抑圧した甘えの欲求を意識化しない限り、どんなに社会的に高い評価を与えられても自己評価が高くなることはない。

大人になって依存的であることはよくないということは、大人になるまえに依存の欲求を満たしておくことが望ましいという意味なのである。

自分に着ていくものがないといってパーティーに出ることをしぶって夫を困らせる妻も、夫を困らせることで自分の依存の欲求を間接的に満たしているのである。

安心感というのはどこからでてくるのであろうか。ひとつには他人に干渉されることのない自分の世界を持つところからうまれてくるのであろう。

彼は一人では何もできないから家族と一緒に旅行にでかける。その時点からすでに、彼の甘えの欲求を満たすための旅行なのである。そしてその旅行の間のすべてが、彼の甘えの欲求を満たすためのものである。
彼が家族と離れられないのは家族を愛しているからではなく、家族に心理的に依存しているからである。
小さな子供は母親が自分の思うようにならない時、母親にしがみつきつつ母親をいつまでも責める。その子供を母親からはなそうとすると母親にしがみつく。

「ママのこと好き」と子供にいつも言わせていないと不安なのは、深く隠された依存性のためだろう。いつも愛情を示すことを強要するのである。

自分への失望があるだけに、他人に自分を尊敬させようとする。普通の人より自分に失望している人のほうが、他人に尊敬してもらいたがる。つまりこれらの人は矛盾した要求を持つ。

心の底で自分にやさしくなれていないと、やはり他人が自分をどう評価するかということが気になって、ついつい虚勢をはってしまう。


目次
はじめに
人づきあいが苦しいのはなぜか
「甘えの欲求」は心の秘密をとく鍵である
不安なのは本当の自分が見えないからである
なぜかイライラしてしまう人は人生全体の方向が間違っている
人を愛し、人から愛される能力
自然の感情があなたをよみがえらせる
自分を大切にすることからすべてが始まる
あとがき

自分にやさしくしよう!

学び力

こんにちは。西村有紀子です。今日のおススメは、東京大学法学部卒業、現在明治大学文学部教授の斎藤孝氏の『学び力』です。学ぶことが、いかに実際的に役に立つものであるか。そして、生きる目的までもが、そこに凝縮されているということを紹介した1冊です。「格差社会」の現代では、同じ世代の人たちの間でも経済格差が生まれています。このような自分を見失いやすい時代にするべきことは、自分で自分の力を蓄えていくことです。本書によって“学ぶ”ことの意義を再確認し、“学ぶ”楽しさその存在を知り、“学ぶ”技法を学ぶことができます。学校の勉強は好きではなかったという人ほど、もう一度“学ぶ”ということ正面から向き合うチャンスをくれます。自分磨きをしたいと思っている人、格差社会の勝ち組になりたいと思っている人は、ぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

「これまで知らなかったことを知った」、「できなかった問題がとけた」という、学ぶことで味わえる体験はとても重要です。なぜなら、それまでの自分を超えることができたという「自信」を生み出すからです。

つねに積極的に学んでいこうという構えが、人格的な明るさになっているようです。

現代社会においては「学び力」を身につけておくことは絶対に必要です。
その一番の理由は、社会全体にわたって、「できる人」「できない人」の選別が、かつてないほど深刻かつすばやく行われてしまう時代になっているからです。

相手の視点に自分の視点を沿わせてみようとする。自分より相手の視点に優れたところがあると直感的に見抜き、受け入れようという姿勢を取り入れる人が、素直で伸びる人ということになります。

ニュートンにしてもアインシュタインにしても、学問上の偉大な達成をした人は、必ずそれまでの社会の先入見から抜け出して新しい世界の見方を探しました。彼らが先入見から抜け出した過程、方法を学ぶことこそが勉強です。

対話的な構造を持ち込むことで、物事の理解は深まっていきます。対話的構造を持たなければ、学びは身に付きにくいものです。

学びは自分だけのもの…といった利己的な考えは捨ててしまいましょう。学びを共有し、自分と他者が理解しあえるという信頼感が醸成されること。それは人生で最高の楽しみでしょう。

エネルギーを費やして得た知識や体験を、「自分の型」に加工して所有する力。それが概念化力というものです。

モチベーションだけに頼ると、どうしても波ができてしまう。ですが、ある状態に身体を置けばやるべきことを始められるという構えを身につければ、コンスタントに学びを続けられるのです。

限界を突破した経験が多ければ多いほど、量への免疫は確実にできていきます。自信を高めるためにも、仕事は質を問うのではなくまずは量で勝負するものだと、完全に割り切って考えてしまったほうがいいでしょう。

文字通り「桁ちがい」の量が質的違いを生み出すのです。


目次

はじめに
第1章 いま必要なのは「学び力」
第2章 「学び力」とは何か
第3章 知識を論理に、そして実践力へ移す技
第4章 学び力が作り出す勝負強さと戦略的思考
第5章 そして学ぶ喜びへ

学んだことを大切な人に伝えてみよう。

愛なんか

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは2002年『肩越しの恋人』で第126回直木賞を受賞した唯川恵氏の『愛なんか』です。恋愛にまつわる短編12編を収めた1冊です。小説の形態をとってはいますが、主人公の心の変化や、葛藤は、たくさんの“いい恋”をしてきた女心そのもので、恋愛テクニック本とも言える内容です。
自分から恋に終わりを告げるにしても、2番手の女になっていると分かっていながら、上等なやり方で復讐をするにしても、恋愛の本質を掴みながら、女として成長していくポジティブな発想が、すべての恋を踏み台にする“いい女”の生き様としてクローズアップされています。幸せは自分の中にあるというように、愛も、快感も、与えられるものではなく、自分のカラダの中に自分で見つけるもの。それを見つけるために私たちは恋愛を繰り返す。そんなメッセージがこめられた短編集です。カッコいい恋とは?を知りたい人はぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

スタイルが自慢できるわけじゃない。年より若く見えるとか、センスがいいというようなことでもない。29歳の私は、ある意味でもう若くはなく、男たちの視線をひきつけるような華やかな美貌もない。ただ、私は自分が人からどう見られるか、そんな自意識から逃れられるようになった。私は私でいることに落ち着くのだ。

恋が始まった頃、私は愛されていることに鈍感になろうとしていた。男の愛に気づかないふりをすることが、唯一の武器のような気がした。それは一種の怖れだったのだと思う。

恋は病気にかかったようなものだから、熱にうかされる時期が過ぎれば、冷静な自分が戻って来る。問題は、恋が終わったその後だ。そこから愛という形になりうるのか、それとも別れを選ぶのか、そこでふたりは立ち止まり、お互いをはすかいに見つめながら考える。そしてさらに問題なのは、その結論は往々にして一致しないということだ。

彼が店に入って来て私を認めた瞬間、かすかな落胆が頬の辺りをかすめたのを私は見逃しはしなかった。私は帰ってしまわなかった自分を憎んだ。

沈黙は、若い樹液のようにふたりの間にとろりと流れ込んだ。出会った頃にもよくこうして沈黙した。けれど、それはまったく異質のものだった。あの頃、私たちは沈黙している時の方がはるかに多くを語り合っていた。沈黙の長さは、愛している、と言っているのと同じだった。あの頃も、私たちは沈黙を恐れたが、それは全身で愛していると告白している自分が死にたいほど恥ずかしかったからだ。

私が宗夫に見切りをつけられない理由は何なのだろう。
結婚を望んでいるからか。宗夫の社会的な条件が惜しいからか。ひとりになるのが寂しいからか。もう若くないからか。もう一度知らない誰かと一から恋愛を始めるのが面倒だからか。そんな相手が出現するという自信がないからか。性欲を満たす相手を失いたくないからか。

私の欲しいものは、男から与えられるのではなく、いつだって私のカラダの中にある。


目次

夜が傷つける
世にも優しい、さよなら
私が愛した男
共犯者
偏愛
霧の海
朝な夕な
長いたび
幸福の向こう側
恋愛勘定
悪女のごとく
ただ狂おしく
あとがき

上等な沈黙が一番想像力を掻き立てる、そんな思い出は確かに宝物です。

感情の整理が上手い人下手な人

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは東京大学医学部卒、現在精神科医で国際医療福祉大学教授の和田秀樹氏の『感情の整理が上手い人下手な人』です。不機嫌な人は幼稚な人間だと思われる、ということは気づいていそうで気づいていなかった事実かもしれません。確かに、不機嫌な人は心が狭く、自分の感情をコントロールできない子供のような人、という印象があります。そして不機嫌になるのは相手ではなく、自分自身の心の問題である、というのも納得です。マイナスの感情は、口に出したところで自体が好転するものでもなく、意識的に言わないようにする、ということは重要なのかもしれません。
また、同じような嫉妬やうらみといった感情を持っていたとしても、先に他人が口にしたとたんに、聞いている方は冷静になる、ということもうなずけます。マイナスの感情はコントロールすることで、人間関係も劇的に良くなるし、自分自身の成長にもつながるのでしょう。最近人間関係に悩んでいる人、リーダーシップをとっている人などはぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

感情の豊かな人は、不機嫌になりにくいものです。
腹が立つときはい大いに怒り、悲しいときは人目もはばからず涙を流す。楽しいときには腹の底から大きな声をあげて笑い、喜びは全身で表す。こういう人は、そのときそのときでわだかまりを残しませんから、心にため込むものも少ないのです。

不機嫌な相手を嫌いになるだけでなく、その人の能力も否定したくなってきます。これは根拠のない感情的な反発に過ぎませんが、人間関係とはつまるところ、もつれ合うにしろスッキリするにしろ、“感情関係”だと考えれば、不機嫌な人は周りから「無能」の烙印を押されかねないのです。

「虫が好かない」のは相手のせいだけでなく、自分自身の気持ちの狭さにも原因があるのだと気がつきます。

自分が正しいと思い込んでしまえば、すべての非は相手にあります。これも自分の悪感情から抜け出せない人のパターンです。他人のせいにし続ける限り、少しのことですぐに不機嫌になってしまいます。

「感情の整理」の上手な人はいても完璧な人はいません。誰でも一瞬の嫉妬、うらみ、すね、ふてくされのような感情に襲われることはあるものです。
そんなとき、まず言葉を出さないことを心がけてください。口に出しても始まらないんだと自分に言い聞かせてください。

わたしたちは実際に、他人の悪感情を見せつけられると冷静になることがあります。嫉妬やうらみ、こび、へつらいの感情はとくにそうで、それを言葉や態度に露骨に表されると「みにくいな」と感じてしまいます。自分も同じような気持ちでいたとしても、「こうはなりたくないな」と感じるのです。

他人に頭を下げるのがいやだとか、自分より年下の人間や子供の前では非をも認めないというのも、この前頭葉の機能低下と関係があります。感情の老化が始まっている証拠と言えないこともないのです。

機嫌のいい人は、小さなことでもそれをやり遂げたときに、自分を褒めることができます。あるいは、何か目標を立てたときも、「これができればわたしも捨てたもんじゃないぞ」と考えて励ますことができるのです。

最初は「すごいな」と周りに感心ばかりしていたのに、いつのまにか対等に話ができるようになっている。あるいは自分の意見に相手がうなずいてくれる。そういう経験を通して、自信が生まれ、自己愛が満たされます。

ものごとを白か黒かの2分割で判断するのも、心の掃除が必要な状態です。


目次

まえがき
序章成功する人はこんな「感情の整理」をしています
第1章 あなたの感情生活を支配する「法則」がわかる
第2章 不機嫌な人は「自滅の法則」に支配されている
第3章 「嫉妬」はもう卒業しましょう
第4章 「心」の掃除は簡単にできます
第5章 周りに好かれる人の魅力は「機嫌のよさ」にある
第6章 すべての人間関係に「好き」を持ち込もう

すごく尊敬していた人と、対等に話せるようになることは、大きな自信になりますね。

シェイクスピアのたくらみ

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは京都大学名誉教授の喜志哲雄氏の『シェイクスピアのたくらみ』です。シェイクスピアの作品に私たちが触れる機会といえば、書籍でということが一番多いのでしょうが、実際は彼の作品は劇として観客の前で演じられる作品として書かれています。
シェイクスピアは観客との間にどのような関係性を持って、ストーリーの展開をしていくのか、ということに大きなポイントを置いて、その作品の本当の味わい方を提示しようとしています。特に劇の最初に登場するコーラスという役割の、劇とは直接関係のない説明役がロミオとジュリエットの二人が死んでしまうことを告げてからスタートするストーリー展開は、観客が二人に一体化しすぎることを防ぎ、傍観者として悲劇を見届けることで、さらにことの悲惨さを増すしかけになっていたり、と巧妙にしくまれています。ハムレットにおいてもなかなか主人公が登場しない中で、重要な事件が起こり、観客が既知の事実を持って、主人公を客観的に見ることで、反悲劇のストーリーにしたてようという意図で観客を導きます。このような知識を持って、あらためてシェイクスピアと向き合うことで、一歩シェイクスピアその人自身に近づけるのではないでしょうか。文学をより楽しみたい人はぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

シェイクスピアは、どれほどの悪人でも全面的に否定したりはしないし、どれほどの善人でも全面的に肯定したりはしない。

劇は小説と違って、上演というかたちで受容されることを-具体的に言うと、限られた時間内に、普通は劇場という特定の場所に集っている相当数の人々によって集団的に鑑賞されることを-想定して書かれているからである。

結末の予告という手法によって、観客は主人公たちと一体になることを妨げられ、彼等に対して一定の距離を保ちながら劇の展開を追わざるをえなくなるのだ。別の言い方をするなら、観客の興味は、主人公たちの恋愛の結末がどんなものになるかという問題ではなくて、どんな過程を経て主人公たちの恋愛がその結末に到達するかという問題に、もっぱら注がれることになるのである。これは、通常の恋愛劇のやり方ではない。

つまり『ロミオとジュリエット』の観客は、一方では主人公たちに共感しながら、他方では主人公たちに対して距離を保ち続けるのだ。そして、逆説めいて聞こえるかも知れないが、この距離のせいで、主人公たちのあり方は一層痛切なものに感じられるようになる。この作品の悲惨さは、普通に考えられているように、主人公たちが不幸な結末を迎えるところから生じるのではない。それは、不幸な結末を迎えることを知る由もない主人公たちが、無駄な努力を重ねるところから、そしてそのことを観客が知っているところから生じるのだ。この作品の悲劇性は作品それ自体の内部にこめられているというより、作品と観客との関係によって成立するのである。

物語が観客にとって既知のものであるという事実をシェイクスピアは逆手にとり、劇と観客との間に確実に距離が保たれるための有効な条件として利用している。『アントニーとクレオパトラ』という劇についていちばん面白いのは、物語そのものよりも、観客がその物語に対してどんな関係をもつかという問題であるかも知れない。


目次

序章 観客を操作するシェイクスピア
第1章 結末が分かっている劇はどこが面白いか
第2章 喜劇の観客は何を笑うか
第3章 悲劇の主人公はなぜすぐに登場しないのか
第4章 不快な題材はどう処理されるか
第5章 超自然的な存在はどんな役割を演じるか
あとがき

主人公の気持ちになって味わうのは、子供の頃だけで良いのかもしれません。

リッチウーマン

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは「金持ち父さんシリーズ」の著者ロバート・キヨサキの妻キム・キヨサキの『リッチウーマン』です。人からああしろこうしろと言われるのは大嫌い!という女性のための投資入門書で、主に不動産投資について書かれています。女性たちのストーリー形式で、不労所得の重要性を説き、女性の経済的自立を支援する目的で書かれています。なぜ、これからは投資なのか、ということに対して多くのページを割き、説得しているあたり、まだまだ女性の投資に対する意識の低さを感じました。最近売れている勝間和代氏の『お金は銀行に預けるな』でも本来投資によれば得られる利益を、得ないこと自体がリスクであると位置づけているように、投資をせずに労働だけで将来の生活費を稼ぎ出すことは、無理がある世の中になってきたのかもしれません。
投資には全く興味のなかった女性でも、分かりやすく、お金がなくても意欲があれば、投資の世界に入ってゆける、背中を押してくれる1冊です。本書を読んだあとに、実際に投資セミナーなどの体験をしてみるのも良いかもしれません。何もしなければ、何も始まらない。おひとり様の老後を豊かに過ごすためにも、ぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

「成功の陰に女あり」という意味の格言があるが、私の場合、まさにその通りだ。妻のキムがいなかったら、私は今のような成功を手にしていなかっただろう。キムがいなかったら、自分はどんなふうになっていただろう?私は時々そんなことを考える。

離婚するかもしれないと思いながら結婚する人はいない。だが、経済的なことが理由で、二人とも不幸で、健全とは言えない結婚に留まっている女性はたくさんいる。

私たち女性の多くがお金に関して犯す愚かな間違いの例をいくつか見てみよう。
・お金目当てに結婚する。
・ 一人では経済的にやっていけないからという理由で、破綻した結婚や恋愛関係に留まる。
・お金に関する大事な決定をすべて男性に任せる。
・ 男性の方がお金に強いという神話を信じている。
・ 男性の方が投資に強いという神話を信じている。
・ ことを荒立てて男性のプライドを傷つけたくないという理由で、お金に関する決定に異議を唱えない。
・ 自分はそれほど頭が良くないと思っていて、いわゆる「専門家」からお金に関するアドバイスを得ようとする。
・ 波風を立てないために黙っている。
・少なくともお金の面では、今の状態で「心地よい」からという理由で、手遅れになるまで現状を変えない。
・ 手遅れになるまでそのままでいるから、若い女性たちに追い越されていく。
・ 男性が変わってくれることをただ願っている。
・ 本当は「すごくいい」ものを求めているのに、「まあまあ」というところでよしとしてしまう。
・ 道に迷っても他人に助けを求めようとしない男性について行く。
・ 自分を過小評価する。
・ 給料と引き換えに、仕事場でのあらゆる差別に耐える。
・ 残業のために子供のそばにいてやれないことに罪悪感を感じる。
・ 昇進して当然なのに、他人に先を越されて、それでもそのまま会社に留まっている。
・ 仕事のせいで子供のサッカーの試合や学芸会に行きそこなう。
・ 将来を夢見て、「いつかきっと・・・」とよく思う。

要するに、私たちの多くはお金のために魂を売っている。ここで最悪なのは、そのために私たちの自尊心や自信が損なわれていることだ。

時代はさまざまに形を変えてきた。私たちも時代の変化と共に変わらなければいけない。

政府による社会保障制度や高齢者医療保険制度は、実質的に破綻している。これらの制度が抱える問題を政府がいつか解決できるのかどうか、私にはわからない。多くの調査によると、今、20代30代の人たちは、自分たちが引退時期を迎える頃には、どちらの制度も機能していないだろうと、すでに気が付いている。会社の年金の場合と同様、政府も、働きながら社会保障や高齢者医療保険の保険料を払い続けてきた人たちと交わした約束を守れない状態にある。

女性はみんな、自分自身と子供たちの生活の安定を守るために、投資について学ぶべきだ。

経済力がないから、あるいは夫に経済的に依存しているからという理由でみじめな結婚に縛り付けられている女性たち、あるいは、安定した給料が必要だからという理由でいやな仕事を我慢して続けている女性たち、私はそういう人にたくさん出会う。私の考え方でいくと、そういう女性たちは『自尊心』よりも『安全』を選んだ結果、そこに留まっている。私にとってはこれは反道徳的とも言える最悪の行為だわ。

心にとめておくべき3つの統計
・ 全女性のうち90パーセントは、いつかは自分の経済状態に関する責任を一人で負うことになる。だが現実には、全女性の79パーセントがこのことを考慮に入れた計画を立てていない。
・ 団塊世代の女性のうち58パーセントは、引退後の生活資金として1万ドル以下しか持っていない。
・ 団塊世代の女性のうち引退後経済的に安定した状態でいられるのは、20パーセント以下だと見積もられている。

わずかでも何か成し遂げるたびに自信が強まり、自信が強まると自尊心も高まる。そして、高い自尊心を持っていると、より大きな成功が手に入り、その成功が最終的に最もすばらしい贈り物につながる。その贈り物とは自由だ。


目次

ロバート・キヨサキからはじめに一言
シャロン・レクターによる前書き
はじめに
第1章 女友達との昼食会
第2章 女友達の話
第3章 私の話
第4章 20年前、南太平洋の島で
第5章 お金だけの問題ではない
第6章 「そんな時間はない」
第7章 経済的な独立とは?
第8章 「私はそんなに頭がよくないからだめ!」
第9章 短期間で頭を鍛える
第10章 「怖くて動けない」
第11章 あなたの裕福度はどれくらいか?
第12章 「そんなお金はない」
第13章 さらにお金について
第14章 「夫が興味を持ってくれない」
第15章 女性が優秀な投資家になれる理由
第16章 「スタート準備OK!」
第17章 参加するだけで9割がた成功
第18章 プロセスを始めよう
第19章 男性にも投資にも三つのタイプがある
第20章 成功する投資家になるための鍵その1
第21章 成功する投資家になるための鍵その2
第22章 「プランを見せて!」
第23章 エンジン全開!
第24章 新しい出発を祝して
最後に一言

不動産投資セミナーの申し込みをしてみました。

私はこうして発想する

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはマッキンゼー・アンド・カンパニー時代にコンサルティング理論で世界的な評価を得て、MBA取得を目的としたビジネス・ブレークスルー大学院大学の学長を務める大前研一氏の『私はこうして発想する』です。著者が無限のアイディアを生み出すときに常に立ち返る発想のメソッドを6つのテーマに分けて論じた1冊。発想の仕方だけでなく、外交問題、情報化社会、少子高齢化対策からITネットワーク社会の展望にいたるまで、最新の懸案事項に対して、著者の自由な発想による打開策が述べられていて、時事問題を考えるという点でも、とても役立つ内容となっています。発想の本というよりは、大前研一氏の見解を知る、という範囲に留まってしまっている感も否めませんが、著者なりの少子高齢化には移民政策を、など大胆な切り口の発想は、私たち個人が抱える問題を解決するにあたっても、参考になるはずです。


アンダーラインポイント

本当に大学は冬に時代を迎えたのか?
それは自分たちがそう思い込んでいるだけの「先入観」ではないのか?
先入観にとらわれているひとは、目の前で起きている現象がその通りに見えない。「百聞は一見にしかず」といいますが、彼らにこの言葉は当てはまりません。一見していながら、自分の先入観の範囲内でしか見ていない。「見る」という行いが、自分の先入観を確認・固定する作業にしかなっていないのです。

「学校に答えを教える権利はない」と言い切るデンマークで、私が「ではこの国において、教育とは何ですか」と訊ねたら、「『Learn』です。生徒たちに自ら学んでもらうのです」という答えが教育当局者の一人から返ってきました。

答えがあることが前提の教育はどこの国もやってきたけれども、そうした先入観を放棄し、教えるのではなく学んでもらう。これは大変なパラダイム・シフトだと言えます。

何かを発想し、それを事業化しようという際に重要なのは、ネットワークを分析することです。

第1に、どういうものを誰に提供したいかという、イメージがクリアなこと。
第2に、顧客に届けるためのネットワークは常に最新のもので、品質がよく、コストが安いこと。
第3に、コンテンツそのものの安定した制作能力があること。“他にはないもの”を発想できた上で、この三つの条件を整備できれば、大いに成功が期待できます。


目次

はじめに
メソッド1 先入観を疑う
メソッド2 ネットワークから考える
メソッド3 “他にはないもの”を目指す
メソッド4 歴史から教訓を引き出す
メソッド5 敵の立場で読む
メソッド6 討論する
あとがき

大手が完備したインフラに、どれだけオリジナリティのあるコンテンツを提供し続けられるかが、これからの情報化社会を乗り切る上での鍵になるようです。

贅沢のすすめ

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはビジネスコンサルタントの山﨑武也氏の『贅沢のすすめ』です。贅沢の定義には客観的な基準がない、その人によって贅沢の内容は違ってくるということです。何でもないことにあえて時間を使ってみる、日常使うものでも上質なものを買ってみる、といった“あえて”という行為が贅沢であり、心のゆとりにつながるのです。平凡で何もないことは問題のない恵まれた毎日であるということと同じように、贅沢も心の持ちようでもうすでに私たちの心の中にたくさん存在している価値なのかもしれません。その既存の宝物に気づけるかどうか、そこがゆとりであり、贅沢なのです。贅沢な毎日を送りたい!という人はぜひ読んでみてください。必ず、あなたなりの贅沢に気づけるはずです。


アンダーラインポイント

高価なものであっても、必ずしも贅沢なものではない。高価であっても、見せ掛けの上質さだけが売り物の場合もある。人生にとって大切であって人の心を豊かにするものでなかったら、偽物である可能性は高い。本物は人の心を直撃して感動を呼び起こす。

ほかの人がしていることを見て、「私にはそのような贅沢はできない」などという。一方で、自分が普通だと思ってしていることに対して、人は「贅沢なことをしている」といったりする。すなわち、贅沢という言葉には客観的な基準がない。

自分の生活にとって最小限に必要であると考えているものがある。それを超えたものがあるとき、それを人は贅沢であると考える。

心を落ち着けて考えてみれば、最初は不満に思ったことの中にも、よいことは必ずある。それ以上に不満に思う結果にならなかったことが幸いである。下には下があることに思いを及ぼしてみれば、喜ばなくてはならない状態にあるといえる。

やはり、一般的には、限りある経済力の範囲内で、できる限り頭を使い、時間を有効に利用して、自分なりの贅沢な暮らしを実現するように努めるほかない。それには、どこかで倹約をすることも必要であり、そこから生じた余裕を使って、贅沢を演出していく。創意と工夫によって、自分に独特な贅沢をつくり出していくのだ。

毎日を平凡に生きていると思っても、よく考えてみれば、余裕のある過ごし方をしている部分が数々ある。それこそが、平穏無事な中における贅沢な生き方にほかならない。贅沢は発見するものである。

人は押し付けようとすれば引いたり逃げたりするが、隠そうとすれば、さらに興味を抱き関心を寄せて近寄ってくるものだ。身を引いただけ、そこに空虚で何もない空間ができ、そこに人の心も引き寄せられていく。それが人の魅力の因ってくるところである。

食事や飲み物の質やサービスの程度においても、エコノミーでは最低限の食料を「配給」されるというニュアンスがある。それに対して、ビジネスやファーストでは、「供応」されるという雰囲気がある。

相手の話を虚心坦懐に聞き、まず相手自身がどのように考えているかを探り出す努力する。そのうえで、相手の身になって一緒に考えていく姿勢を貫き通すのである。


目次

まえがき
第一章 贅沢とは何か
第二章 思い切ったところに金を使う贅沢
第三章 金をかけない贅沢
第四章 時間をたっぷりと使う贅沢
第五章 日常から離れる贅沢
第六章 日常に発見する贅沢
第七章 仕事で味わう贅沢

こうして毎日本を読めることは、贅沢です。

鏡の法則

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはメンタルマネジメント講師野口嘉則氏の『鏡の法則』です。100万部を突破しているベストセラー書です。内容は以前きれい学で紹介した『原因と結果の法則』と『ゆるすということ』の内容をストーリー仕立てに組み立てた感じですが(本書のなかでこの2冊は参考文献として紹介されています)よりリアリティのある仕上がりになっています。読んだ人の90%が泣いた、というふれこみでしたが、確かに泣けます。そして『ゆるすということ』のなかでゆるすためにやるべきステップを本書の中で、主人公が実行していき、身近な人をゆるすことで、事態が好転していきます。実践的で分かりやすいため、読み手が実際に行動に移しやすく、共感も得られやすかったのだと思います。一気に20分くらいで読める内容です。人生の問題を抱えている人はぜひぜひ読んでみてください。泣いてしまうので、電車の中とかはNGかも。


アンダーラインポイント

しかし優太は、つらさや寂しさを、決して話してはくれなかった。栄子にとって一番つらいのは、優太が心を開いてくれないことだった。
「僕は平気だ」と言い張るばかりなのだ。
栄子が“友達との上手な関わり方”を教えようと試みても、「うるさいな!ほっといてよ」と言う。

まず、はっきりしていることは、あなたが、誰か身近な人を責めているということです。

「現実に起きる出来事は、ひとつの『結果』です。『結果』には必ず『原因』があり、その原因は、あなたの心の中にあるのです。つまり、あなたの人生の現実は、あなたの心を映し出した鏡だと思ってもらうといいと思います。

『必然の法則』というのがありましてね、それを学ぶと次のようなことがわかるんです。じつは、人生で起こるどんな問題も、何か大切なことを気づかせてくれるために起こるんです。つまり偶然起こるのではなくて、起こるべくして必然的に起こるんです。ということは、自分に解決できない問題は決して起こらないのです。起きる問題は、すべて自分が解決できるから起きるのであり、前向きで愛のある取り組みさえすれば、後で必ず、『あの問題が起きてよかった。そのおかげで・・・・・・』と言えるような恩恵をもたらすのです。

「人生は、自分の心を映し出す鏡である」ということは、言い換えると、「自分の心の波長にピッタリな出来事が起きる」ということです。

例えば、鏡に映った自分を見たら、髪が乱れていたとします。そんなときはどうしますか?
鏡の方に手を伸ばして、鏡の中の自分の髪をさわろうとしても、できませんよね。おそらくあなたは、自分自身の頭に手をやり、髪を整えるはずです。すると結果として、鏡の中の自分の髪も整うわけです。
同様に、人生の問題を根本的に解決するには、自分の心の中の原因を解消する必要があります。

「ゆるせない!」と誰かを責めているとき、私たちはやすらぎを感じることができません。

あなたの「与える行動」が誰かの人生に、和解と自由と幸福をもたらすかもしれません。


目次

鏡の法則
あなたの人生に幸せをもたらすための解説とあとがき
人生は自分の心を映し出す鏡
ゆるすことでやすらぎが手に入る
ゆるすための8つのステップ
あなたの幸せな人生の実現のために

私も“ゆるしたい人”を見つけました。