ハワイ州 経済
かつてハワイ州の経済は大手砂糖会社を筆頭とする複合企業群によって支えられていました。これらの企業群は「ビッグ・ファイブ」(Big Five)と呼ばれ、20世紀初頭に台頭し、1960年代に至るまでハワイ州の政治・経済を牛耳ってきました。「ビッグ・ファイブ」とは、(Big
Five)アレクサンダー・アンド・ボールドウィン(Alexander & Baldwin)、キャッスル・アンド・クック(Castle
& Cooke)、C・ブリュワー(C. Brewer)、テオ・H・デイビーズ(Theo H. Davies)、アムファック(Amfac)のことです。
しかし、1970年代に入り砂糖のプランテーションが次々に閉鎖されると、これらビッグ・ファイブの傘下にあった企業は他州の企業に買収・合併されていきました。
現在、島の重要な収入源のひとつに観光業が挙げられます。カリフォルニアからの直行便に加え、成田からもコナ国際空港へ直行便が就航しており、ハワイ島の観光収入は年々増加してきています。農業においては、コナコーヒー、マカダミアナッツ、パパイヤなどのトロピカルフルーツ、切り花などの出荷量がハワイ諸島で最も多く、また、島には広大な牧場があるので、牛肉の生産量もハワイ州一です。
主な産業として、軍需、観光、農業が3本柱ですが、農業についてはかつての隆盛からすると寂れたと言って過言ではありません。但し、パイナップル生産については、かつてラナイ島単独で全米の生産量の90%、全世界生産量の75%を産出していたほどであり、ハワイ島のコナコーヒー(全米50州唯一のコーヒー産地)と並ぶ代表的産物です。
軍需については、州内に数多くの軍事基地を抱え、軍や関連産業による経済への影響は計り知れません。
観光については、年間7,379,635人、うちアメリカ国内からが5,255,098人、国外からは2,124,537人、そのうち日本からは年間1,522,356人(いずれも2005年。州政府統計)が訪れる、国際的観光地であり、軍需と並びハワイ州の経済を支えています。
離島であり、工業製品のほとんど、また燃料の全てを米本土からの輸入に頼る経済構造になっているため、平均物価は州単位では全米一高く、全米平均のおよそ1.5倍に相当しますが、その一方で、平均年収は全米平均とほぼ同程度であるため、可処分所得は全米平均以下と言えます。
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