結納

ウエディング用語 ~こ~

こ|用語

コアフ

コアフとは、髪飾りの一種のことを表している言葉です。コアフという言葉は、フランス語の「コワヒュール」が英語化した言葉だと言われています。この「コワヒュール」はフランス語で、調髪や髪型といったような意味を表しています。

笄とは、髪に挿す飾りのことです。一般的には、細長い棒状で、両端もしくは片端を長方形に少し太くしたような形をしています。かゆい時に髪を掻く「髪掻」から派生して笄がうまれました。武士は、いつもは笄を脇差の鞘に挿しており、頭を掻いたり櫛の代わりに用いたりしたものでした。また、女性にとって笄をさすことは大人の女性の証であるとされていました。主な笄の挿し方は2種類あります。まず髪をまきつけ水平に挿し、乱れた髪を整える道具として用いられたケース。そしてもう一つは江戸時代以降、装飾的に利用されたケースです。材料も竹、鯨のひげ、鼈甲(べっこう)などが使われ、蒔絵を施すなど、次第に装飾性の高いものになっていきました。挙式時の色打掛では華やかな珊瑚や真珠製のもの、白無垢には気品のある鼈甲製のものがよく用いられます。

口上

口上とは、申し立て奉るという意味で、結婚の席で口上といえば、結納の席での仲人や両家の代表が述べる決まり文句のことを指します。この場合の口上は、手順に沿って述べられます。口上には「幾久しくお受けいたします。」等の、結納独特の言い回しも存在します。結納の場合と同様、この口上の言い方にも地方によってしきたりが異なります。そのような場合に備えて、式場や結納品業者に事前に確認しておくとよいでしょう。

合成石

合成石とは、天然宝石と基本的に同じ組成と構造の宝石材を天然ではなく、人為的に作ったもののことを言います。宝石材として一般に流通している合成石として挙げられるのは、需要の多いスピネル、エメラルド、ルビー、サファイア、オパールなど多種にわたっています。そのうちのほとんどは結晶ですが、合成オパールのように非晶質物質のものもあるのです。メーカーによっては、オパールを除き再結晶という言葉が使われる場合もあります。一方、逆に自然界には存在しない結晶を、人為的に工夫して作ったものを人造石とも呼んでいます。

コース料理

一般的に、披露宴のときに出される料理はコース料理です。結婚式においては和食、フランス料理、中華など、料金に応じて何種類ものコースか用意されています。たとえば、和食のコースならば懐石仕立てでふるまわれます。そしてフランス料理のコースならばオードブルからデザートまでふるまわれます。中華の場合ならば、大皿で取り分けるコースと個別に皿盛りされたコースが用意されています。最近では箸で食べられる和風フレンチやイタリアンなど、料理のバリエーションも豊富になってきています。また、料理の差し替えや追加も可能です。カジュアルパーティの場合はコース料理でなくビュッフェスタイルも選べるようになっています。

コード刺繍

コード刺繍とは、コードのような細い紐をいろいろな形に縫い付けて模様を作り、装飾する刺繍のことです。紐の他には、コード状に細く長く処理した布や、モール、毛糸、バイアステープ、などが使われる場合があります。このコード刺繍は、まず生地の上にコードを模様になるように置きます。そして別の糸で目立たないように布の上に綴じつけます。こうすることで模様を立体的に浮き立たせる刺繍であります。このように大変細かい作業が必要となってくる、手の込んだ技法で、高級な仕様のひとつでもあります。

コールズボン

コールズボンとは、男性用の昼の礼装服に合わせるズボンのことです。モーニングコートやディレクタースーツなどに合わせられ、黒とグレイの縦縞柄が入っています。コールズボンとは、ストライプドトラウザーズの日本の呼び名でもあります。祝儀用には縞の間隔が広い明るい色調のものが用いられ、弔事などの不祝儀の場合は反対に縞の間隔が狭く暗めの色調のものが用いられます。裾は折り返しのないシングルです。そして裾口は前上がりのモーニングカットで処理されます。日が暮れてからこのコールズボンが用いられるということはありません。

ゴールド

金とは、原子番号79の元素のことです。元素記号はAuです。加工しやすく、柔らかく、重く、光沢のある黄色をしています。また、非常に薄くのばすことができる遷移金属でもあります。装飾品として使われる代表的な金属となっています。金の単位はカラット(記号:K, Kt)で表記されます。金製品の金の純度を24分率で示します。日本では「金」という略称の方がよく知られています。K24は純度100%のゴールドもことを指します。そして、K18は純度75%のゴールドです。宝石の重量単位もカラットというがつづりが異なっているため、別の単語なのです。また、金と他の金属とを加えて作られる金のカラーバリエーションのことを、総称してカラーゴールドと呼ぶこともあります。

国際結婚

国際結婚とは、日本人ではなく外国人と結婚することをいいます。近年、国際結婚の数は全婚姻数の約1割となっています。国際結婚する時には、婚姻用件具備証明書とその日本語訳の添付が婚姻届を市町村役場に提出する際に必要となります。婚姻要件具備証明書とは、婚姻をしようとする外国人が、本国の法律で定めている婚姻の成立要件を満たしていることを証明するものです。日本の戸籍制度には「外国人の戸籍」がないため、相手国政府が証明した公的文書である、婚姻要件具備証明書が婚姻の際には必ず必要になります。

心付け

心づけとは、挙式披露宴にかかわる人に渡す謝礼のことです。挙式披露宴に関わる人として挙げられるのは、介添人、司会者、美容・着付け、会場のスタッフ、カメラマン、等です。また、他にも当日お世話になる人や、受付など手伝ってくれた友人に「本日はよろしくお願いします」の気持ちと幸せのお裾分けとして心づけを渡します。心づけの金額は3,000円~1万円が相場です。心づけを渡す際には、懐紙やポチ袋(祝儀袋)に新札を入れて用意しておきましょう。しかし心付けは必須ではありません。会場によっては、心づけを受け取らないということを規則で定めているところもあります。そのような場合には、菓子折りなどをわたしましょう。

コサージュ

コサージュとは、生花や造花の花飾りのことです。ドレスをはじめ婦人服の胸元や襟元などに付けられます。別名でコサージともいわれます。一般的には、胸につけるものをコサージュと呼びます。そしてその他の箇所にコサージュをつけるような場合には、体の部位を接頭して呼びます。たとえば、肩につけるコサージュのことは、特別にショルダー・コサージュと呼びます。このコサージュは、洋装だけでなく、振袖などの和装の時に帯止めのように付けたり、バックなどの小物にも付けたりと、様々なシーンで用いられます。このコサージュとはもともとフランス語で「身ごろ」という意味をあらわす言葉でした。それが19世紀後半になって、現在のように飾りのために付けられる花のことをコサージュと呼ぶようになったのです。ちなみに、新郎が胸に付けるものはブートニアと呼ばれています。

ご祝儀

ご祝儀とは、ゲストが結婚式に持参する、新郎新婦の結婚のお祝い金のことです。お祝儀と言う人もいますが、正式にはご祝儀という言い方が正しいです。ご祝儀の相場は、友人なら1~3万、上司なら3~5万、親族なら5~20万程度と、それぞれ異なっています。慣習的に、割り切ることができない奇数の金額を包むのが礼儀とされています。たとえば、2万円の場合は1万円札と5千円札2枚をいれて3枚にします。袋の水引も「結び切り」の帯のものを使いましょう。また、披露宴に出席しなかった人からご祝儀を貰った場合は、1ヶ月以内にお祝い返しをするのが礼儀です。その表書きには「内祝い」か「寿」と書きます。そしてご祝儀としていただいた金額の半額程度の品物をお返ししましょう。

ゴスペル

ゴスペルとは、いわゆる黒人霊歌のことです。しかし現在日本で一般的に「ゴスペル」と呼ばれているのは、主に1960年代に登場したクワイア(聖歌隊)という形態のものを指しています。黒人霊歌の成立は1760年頃だといわれています。ゴスペルとは、英語のグッド・スペルが変化してできた言葉であるとされています。グッド・スペルはよい知らせという意味です。このグッド・スペルを日本語に訳すと、福音とも言えるでしょう。このようなことから考えると、ゴスペルとは福音に曲をつけたようなものであるとみなすことができそうですね。

ゴスペルウエディング

ゴスペルウエディングとは、結婚式のスタイルの一つです。ゴスペルウエディングでは、ゴスペル音楽で新郎新婦を祝福します。ゴスペルシンガーやクワイヤーが無伴奏のアカペラで歌うのが特徴的で、大変人気の高いウエディングスタイルです。しかし迫力のある歌声を、惜しげもなく披露し、声高らかに歌いあげる姿に感動しない人はいません。このゴスペルウエディングの演出は、結婚式の会場を感動の渦で包み、よりいっそう場の雰囲気を盛り上げてくれることでしょう。

子供料理

子供料理とは、結婚式の料理のメニューのなかで、特別に子供のために用意される料理のことを言います。この子供料理は、普通の大人用の料理コースが食べられないような幼時や小学生に対して準備されます。会場によって異なりますが、一般的な子供料理の料金設定は3000円から5000円程度となっています。また、結婚式に招待するゲストのなかで子供がいる場合は、自分たちの判断で勝手に子供料理にするのではなく、かならずその親御さんに相談してから最終的な判断をしましょう。また、会場によっては子供だけでなく、年配の方向けのコースメニューが用意されていたり、アレルギー体質の方に合わせたメニューを考えてくれるところもあります。少しでも料理内容を変更してもらいたい点がある場合は、直接会場側に相談してみましょう。

小槌

小槌とは、結納の時に用いられる品の一つです。小槌とは、打ち出の小槌のことです。昔から願いごとを念じながら上下に振ると願いが叶うと言われたり、振れば福を生み出し、もう一振りすれば運を生むと、伝えられたりしている縁起物でもあります。結納で用いられる小槌は、ほんの10cm以下程度の大きさのものです。松竹梅・鶴など縁起物の絵がかかれており、飾り房も付いています。この小槌は結婚後も持ち続け、毎年正月に飾るという風習も残っています。小槌は、昔話一寸法師にも登場します。一寸法師の話の中では、福の神の大黒天が袋と共に小槌を持っています。

昆布茶

昆布茶とは、結納で出される飲み物のことです。慶事では、煎茶は使用しません。それは「お茶をにごす」「茶茶を入れる」という意味があるからです。その煎茶の変わりとして、昆布茶や桜湯で相手をもてなすのです。「昆布茶」は喜ぶという意味に通じていますし、桜湯は「花開く」というめでたい意味が含まれていて、どちらの慶事にはぴったりの品物です。もしお菓子を添えるならば、小さな干菓子や松竹梅など縁起のいいものをかたどったものを選びましょう。なお、結納など儀礼的なことが終わったあとで、改めてお茶を入れる時は好きなお茶でもてなしてもかまいません。

コマーシャルネーム

コマーシャルネームとは、石に付けられる名前のことを表しています。しかし、このコマーシャルネームによって名付けられた石は、天然石ではありません。人の手によって新しく作られた、人造石もしくは合成石なのです。あたかも天然石かと思わせるためにわざとこのコマーシャルネームを付けるのです。コマーシャルネームは商標名ということもできます。代表的な例としては、ダイヤモンドに似せた人造石のキュービック・ジルコニアなどが有名です。

コンチネンタルタイ

コンチネンタルタイとは、クロスタイの別名称のことです。コンチネンタルタイは、リボン状の短い帯布を襟元でクロスさせ、真ん中をタイピンで留めて着用されます。このコンチネンタルタイは、フォーマル用のネクタイとして使用されています。コンチネンタルタイとは、「ヨーロッパのネクタイ」という意味を持っている言葉です。このコンチネンタルタイは、1960年代にヨーロッパで発祥しました。そこから世界中に流したため、自然とコンチネンタルタイと呼ばれるようになったのです。

婚姻届

婚姻届とは、二人の結婚が法律的に認められるための届け出のことです。たとえ結婚式を挙げたとしても、婚姻届の提出がなければ、法律上は正式な夫婦として認めてくれません。この婚姻届を受理してもらうためには、婚姻時に届出人の本籍地又は所在地の市町村役場に届け出ます。市町村役場の窓口は24時間受けつけてくれます。しかし自治体によって、婚姻届に関する必要書類など異なります。婚姻届を届け出る役所に事前に確認をしておくとよいでしょう。また、書類に不備がある場合、婚姻届は受理されません。記念日指定の入籍をする場合は、記入漏れがないか事前に確認しておきましょう。

婚姻要件具備証明書

婚姻要件具備証明書とは、婚姻をしようとする外国人の本国の法律で定めている婚姻の成立要件を満たしていることを証明する書類のことです。婚姻の成立条件とは、相手が婚姻できる年齢に達しているか、ということや現在独身であるか、ということを確認する書類です。この婚姻用件具備証明書は、相手国政府が証明した公的文書です。なぜこの婚姻用件具備証明書が必要かというと、日本の戸籍制度には「外国人の戸籍」がないからです。婚姻要件具備証明書は、結婚相手の国の在日大使館または領事館で発されます。婚姻要件具備証明書を取得するための必要書類は国よって異なります。事前に大使館に問い合わせて、確認しておくことを忘れないようにしましょう。また、外国語で記載されている婚姻要件具備証明書には、全て日本語訳を付けることが条件となっています。

コンパーチブルカフス

コンパーチブルカフスとは、カフスの一つのことを指している言葉です。このコンパーチブルカフスは、袖口の両方にボタンホールがあります。そしてそのうちのどちらか片方にだけボタンが付いているカフスのことです。コンパーチブルカフスは、ボタンでもカフスボタンでも、どちらの場合でも留めることができます。つまり、コンパーチブルカフスは両用スタイルとなっているのです。コンパーチブルという言葉は「変換できる」という意味を含んでいます。

コンビリング

コンビリングとは、1本のリングに2種類以上の素材が使用されているリングのことを言います。「コンビリング」という言葉は日本語の造語です。主に、純金・プラチナ・ピンクゴールド・ホワイトゴールドなどの地金が使用されています。中でも最も一般的なのが、金とプラチナを使った組み合わせのものです。他にも金とホワイトゴールドの組み合わせや、金とピンクゴールドの組み合わせ、または3色のコンビリングなど様々なバリエーションの組み合わせがあります。また、光沢のあるものとマットなものなど、異なる質感で仕上げたコンビリングもあります。

子生婦

子生婦とは、結納品のひとつです。子生婦と書きますが、これは昆布のことなのです。昆布は「よろこぶ」の語呂合わせから、祝い事には欠かせない縁起物となっています。また、昆布は成長が早く繁殖力が強いことでも知られています。このことから、子宝に恵まれ子孫繁栄をという意味もこめられています。そして「立派な子供を産み、よい母になるように」という願いを込めて「子生婦」という字が当てられているのです。嫁入りの場合は「子生婦」ですが、婿養子の場合は「子生夫」「幸運夫」と書く場合もあります。

婚約

婚約とは、お互いに結婚の約束をすることです。正式な婚約としては、結納や両家顔合わせ、お食事会を設ける場合が多いです。しかし、最近はこういった結納や婚約式などの正式な婚約表明をしなくても、プロポーズや二人の間の口約束だけでも婚約は成立します。そして婚約の証として新郎から新婦へ婚約指輪を渡したり、新婦から新郎へ時計やスーツなどを婚約記念品としてお返ししたりします。正式な婚約の主な形には結納・両家顔合わせ・お食事会・婚約式・婚約パーティーなどがあります。

婚約記念品

婚約記念品とは、婚約の印として贈る品のことです。婚約指輪も、この婚約記念品の一つとして扱われます。婚約指輪のほかにも、婚約を記念して相互に贈りあう品を広く指しています。しかしこの婚約記念品の品物に決まりはありません。一般的なのが、新郎から新婦へ婚約指輪を贈ることです。また、新婦から新郎へのお返しは、時計やスーツなどを好みで選んで贈ることが多いです。この新婦から新郎へ渡されるお返しの金額は一般に結婚指輪の半分程の値段が適当だと言われています。最近では結納などの正式な婚約はわず、代わりにこの婚約記念品を交換するだけ、というカップルも増えてきています。

婚約式

婚約式とは、キリスト教の婚約の儀式のことです。聖職者の立ち会いのもと、新郎新婦は神様と参列者に誓いをたて、誓約書にサインをします。このような婚約の形は日本ではあまりポピュラーではありません。しかし、欧米では最もポピュラーな婚約のスタイルなのです。この婚約式の後、親しい人を招いて、ごく身内だけの婚約披露パーティーをうこともあります。結婚式をキリスト教会式で挙げる予定の人は、一度教会に相談してみるといいですよ。式場やホテルのチャペルでも、このような婚約式プランを設けている会場もあります。

婚約通知

婚約通知とは、二人が婚約したことを周囲の人に知らせることです。婚約発表と同じです。一般的な婚約通知は婚約通知状を出します。しかし最近ではメールや電話で婚約を知らせる場合もあります。婚約通知状を出す主なあて先は、親戚や恩師・先輩・友人・知人などでしょう。難しく考えずに、普段の年賀状や暑中見舞いを出す範囲と考えればよいです。日本ではまだあまりなじみのない習慣ではありますが、この婚約通知状による婚約発表は欧米では既に常識化した方法の一つなのです。婚約通知状は、二人の連名もしくは両家の親の連名で出すのが原則です。ただし、仲人がいる場合は一緒に明記しておきましょう。そして婚約した日付と挙式予定の時期は必ず書き添えます。しかし他の婚約通知状の文面について特に決まりはありません。二人の人柄や個性が光るような内容で自由に書いて構わないのです。婚約報告と共に、今後の変わらぬ付き合いと、結婚生活へのご指導ご鞭撻のお願いを一筆添えるとよいですね。

婚約指輪

婚約指輪とは、婚約のときに男性から女性へ贈る指輪のことです。婚約指輪は婚約の印でもあります。別名でエンゲージリングとも呼ばれています。結納の際には、指輪とは書かずに、「優美和」、「結美和」など、雅語の当て字を用いましょう。今も昔も、婚約指輪として変わらぬ人気を誇るのがダイヤモンドです。地上でもっとも硬いダイヤモンド。その硬さは固い絆と永遠の愛情を、無色透明は純粋無垢な心を象徴しているとされています。そしてそのダイヤモンドのリングの中でも更に最も定番とされているのは立爪タイプのリングです。しかし最近はダイヤモンドを埋め込んだリングや、結婚指輪と合わせてデザインされたセットリングなど、婚約指輪のデザインも豊富になってきています。またダイヤモンドに限らず、誕生石のリング、エタニティリングを贈る人もいます。近年では一般的となった婚約指輪ですが、その起源は古代ローマにさかのぼります。しかし、古代ロ一マ時代からしばらくの間は、結婚自体よりも、様々な約束を含んだ婚約の儀式の方が重要視されていました。古代ローマ人が約束の履を誓約する印として、鉄の輪を婚約指輪として用いたのが始まりとされています。その頃、婚約指輪に金を使用したのは一部の特権階級に限られ、一般には重い鉄製の輪が愛用されていたのです。この時代の女性はまだ地位や権利が認められていなかったので、婚約指輪は「一人の女性が特定の男性の所有物になった」ことの証だったのです。その後もしばらくはこのような風習が続いていました。また、婚約指輪が左手の薬指につけられるようになったのは、左手の薬指は心臓とつながっており、そこから愛の血が流れているという、エジプト人の信仰によるものです。もっとも、昔は現在のように婚約指輪と結婚指輪を区別していませんでした。これらをはっきり区別するようになったのは13世紀以降だと言われています。